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水ノ浦のスクイ漁撈習俗

ページ番号:0050118 更新日:2026年10月28日更新 印刷ページ表示

長崎県指定無形民俗文化財

伝統漁法が県文化財に指定

諫早市高来町で行われる伝統的な漁法「水ノ浦のスクイ漁撈習俗」が長崎県の無形民俗文化財に指定されました。

よみがな

みずのうらのすくいぎょろうしゅうぞく 

指定区分

県指定無形民俗文化財

指定年月日

令和8年10月27日

諫早市指定有形民俗文化財

漁撈に使用されているスクイ漁場そのものは、「水ノ浦のスクイ漁場」として市の有形民俗文化財に指定されています。

スクイ漁場と有明海・雲仙岳

水ノ浦のスクイ漁撈習俗は、諌早市高来町に残る伝統漁法です。スクイは、沿岸部に岩礁を馬蹄形や半円形・方形に積んで構築した漁撈用の施設で、満潮時に石積の中に入った魚を干潮時に捕まえる漁法です。

スクイの名称は、江戸時代の諫早領の絵図に書かれた「スクイノ内」の墨書きが初見で、明治時代から戦前にかけて、長崎県内では有明海沿岸を中心に100基以上存在しましたが、戦後の干拓事業や風水害被害で激減しました。

スクイの名称\_江戸時代絵図

【江戸時代の絵図】中央に「スクイノ内」と記載

水ノ浦のスクイは、直径 20~30 cmの円礫を素材とし、干潟の中に外周約300mの馬蹄形の石積が築かれています。

スクイ_上空写真

【上空から見たスクイ漁場】上が南側で中央にオログチ

石積の最大高は2.5m 程度で、満潮時の海面に合わせて上面が水平になるように、沖側を高く陸側にかけて徐々に低くなるように積んでいます。

水ノ浦のスクイ漁場の石組みをしてあるところの写真 スクイ_石積

【スクイの石積】

沖側の石積基底部に「オログチ」と呼ぶ排水口を設け、魚が逃げないように竹の柵を設置します。干潮時にはオログチ周辺の海水溜まりに逃げ遅れた魚が群がり、これを網で捕獲します。また、魚が物陰に隠れる習性を利用して、石積内に大型の礫を複数配置し、孟宗竹を多数打ち込み、魚ができるだけ石積内に留まるよう工夫しています。

スクイ写真_オログチ

【スクイのオログチ】

スクイ漁場の所有者は水田とミカン栽培を行う兼業農家で、3月初めから 11 月まで漁を行います。干潮時の潮位が 1.5m 以下になる中潮から大潮の時期に、1時間から1時間30分程度操業し、ボラ類、エイ、イシモチ、コウイカ、アミエビなどを捕ります。

このように、水ノ浦のスクイ漁撈習俗は、定置漁具としての石積の規模や構造が良好に残るとともに、潮位の変化や魚の習性を利用した漁撈形態をよく留め、現在でも所有者のなりわいの一部として利用されている点で希少で、この地で培われた民俗技術を今に伝えるものとして特に重要です。

また、令和7年8月には、地元有志により「水ノ浦スクイ を守る会」が結成され、環境整備や市民向け体験会等の活動を行われています。

水ノ浦のスクイ漁場につかう網の写真水ノ浦のスクイ漁場の道具のかごの写真

【スクイに使う道具 網、籠】

交通(スクイ漁場へのアクセス)

県営バス「水の浦」徒歩5分

※満潮時には見学できません。

※個人管理のため、スクイ漁場内での漁禁止。