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水ノ浦のスクイ漁場
よみがな
みずのうらのすくいぎょじょう
指定区分
市指定有形民俗文化財
指定年月日
昭和62年3月2日
所在地
諫早市高来町水の浦地先
交通
県営バス「水の浦」徒歩5分
有明海の干潟地帯特有の漁法<漁場>で、満潮と共にスクイに入った魚が引潮に従いオログチ(スクイの最深部)近くの遊水池に集まるようにして捕獲します。「スクイ」は、有明海沿岸一帯、熊本から福岡南部、島原半島沿岸一帯には江戸時代から明治の中頃までは200個以上見られましたが、時代とともに荒廃し漸次姿を消していきました。
高来町には明治・大正期に4ヵ所のスクイがありましたが、現在はただ1ヵ所のみが残っています。
水ノ浦のスクイは平面楕円型の石組みです。基底部幅4m、最高部幅約1m、石積みの外周約330m、沖の方の最高部の高さ約3mです。波浪に対する抵抗を考え、外側は緩やかな角度に積み、内側は少し急な角度に積んであります。
また、満潮時の潮の高さを考えて全石垣の最上部が同じ高さを保つように築いてあります。北風に最も壊れやすいのでその補強も工夫され、スクイ漁場は、自然条件を巧みに利用した原始的漁法の一つとして、漁業発達史に特筆される漁法です。沿岸の環境の変化と漁獲法の発達により、このスクイ漁は衰退してしまいましたが、往時の姿を留めるこの水の浦のスクイは、今も健在です。