井戸から出てきた井戸の神様とびっくりする和尚さんのイラスト

昔、あるところに和尚さんとこうず(小僧)さんがいました。和尚さんは大のずーし(雑炊のようなもの)好き。それでこうずさんは毎晩、ずーしのご飯を炊かなければなりませんでした。
ところが、こうずさんはずーしが嫌いでまた今夜もずーしかと思うと、どうにかして和尚さんが、ずーしを食べなくなる方法はないものかと考えました。
そこで、こんどは辛く炊いてみようと思いつきました。辛かったら喉が渇くでしょう。そうしたら、和尚さんはきっとお茶を飲みたくなります。こうずさんは、お茶はくぁんす(薬缶)にも入ってない、はんずがめ(水甕)にも水の入ってないように、ぜーんぶ空っぽにしておきました。
さーてその晩、和尚さんはずーしが大好きだったので辛かったのですがやっぱりたくさん食べてしまいました。
しばらくすると、和尚さんはもう喉が渇いてきました。そこでお茶を飲もうとしたところ、薬缶にはお茶は入っていません。はんずがめも開けてみたのですが、それにも水は入っていません。みーんな空っぽでした。「おっとーこうずは水も甕に汲んでないこりゃたまらん」もうカワ(井戸)に行って飲むしかないと、和尚さんは急いでカワのところへ来ました。
ところがカワに来てみると、そばに何やら真っ白いものが立っていて、それが「私はカワの神だ。この夜中に来たのは誰だ」と言うではありませんか。和尚さんはびっくり。「おっとーどうしよう。こうずがずーしを辛く炊いたもので喉が渇いてたまりません。どうぞ水をいっぱい下さい」と頼みました。すると、「だめだ」とカワの神さんが言います。
和尚さんは「そう言わないで水を飲ませて下さい」と頼みました。でもカワの神さんは「いいや、だめだ」と言うばかり。
いよいよもって喉が渇いた和尚さんは「もうどうにもこうにも苦しくてたまりません。水を飲ませてください」と一生懸命頼みました。
すると、カワの神さんは「もう、ずーしを食べないならば飲んでもよい」と言うので、和尚さんは「もうずーしは食べません、ずーしのずとも言いません」とカワの神さんに約束しました。
これで和尚さんはやっと水を飲むことができました。じつは白いものはこうずさんで、白い布をかぶってカワの神さんになりすましていたのです。
そいばっかいばんねみどん。

※昔話には始まりと終わりに決まりの言葉があります。諫早では「むかしね」がはじまりの「そいばっかいばんねみどん」は「これでおしまい」といった決まり文句のひとつです。

諫早史談会 川内 知子
(略歴)諫早史談会会員。民俗を専門とし、現在、干拓資料館 主任・学芸員。日本民具学会会員など。

絵:中路 英恵さん

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