河童に今にも捕まえられそうな小さな子どものイラスト

昔、江ノ浦川にはおそろしい河童が、すんでいました。泳いでいる人のしりの巣を抜いては、たいそう困らせていたのです。
夏になると、水遊びをしていて、この河童にしりの巣を抜かれた子どもが浮かんでいたこともあったそうです。
ある夏の日、近くに住む一平という男の子が家で留守番をしていました。
一人での留守番はたいくつでしかたありません。そこで、一平は江ノ浦川へ泳ぎに行くことにしました。仏壇のお仏飯をにぎり飯にして腰に下げると、勇んで江ノ浦川へ向かいます。
川に来てみると、もう子どもたちが何人も泳いでいて、楽しそうに遊んでいます。一平もすぐに川に飛び込むと、一緒になって泳ぎまわりました。
どれくらい遊んでいたのでしょうか。どこからか「助けてくいろ」と声がします。声のするほうを見ると、小さな子どもたちが「河童ん出たー」とおめき(大きな声で叫ぶ)ながら走って逃げまどっています。
一平もすぐに逃げようとしたのですが、河童にいまにも捕まえられそうな、小さな子どもがいるではありませんか。その子どもを見捨てては行けません。
勇気を出して一平は、大急ぎで河童のほうに泳いで行きます。小さな子どもはもう、しりの巣を抜かれそうです。一平は必死になって、河童に「おいのしりん巣を抜いてみろ」とおめきます。
河童はすぐ子どもを放して、一平のほうを向きました。見ると、目はつり上がったようで赤く、まるで鬼のようでした。それでも一平はなんとか子どもを助けようと河童に向かって行きます。
一平と河童は水の中で取っ組み合いになりました。一平は、もう懸命に力を出すのですが、河童はたいそう強くて、かないません。もうだめかもしれないと思った時、腰に下げたにぎり飯が手に当たりました。一平はそれをつかむと、もう夢中で河童の口の中へねじ込みました。
すると、どういう訳か、河童は苦しみ出すではありませんか。手足をバタバタさせ、そうしてとうとう一平から離れると、川の下のほうへと流れていってしまいました。
それからというものお仏飯を持っている子どもには、河童は決して近づかなくなりました。
そいばっかいばんねんどん。

諫早史談会 川内 知子
(参考文献/飯盛町郷土誌)
絵:中路 英恵さん

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