赤エイのくしゃみで吹き飛ばされ、大きな岩に当たって腰をひどく打ったエビのイラスト

今回は、漁業の町「有喜」に伝わる「エビの腰が曲がっているのはなぜ?」というお話です。はじまり、はじまり……。

昔、大きな鳥がいました。もう、ものすごーく大きな鳥で、山やら田んぼの上やら、ひゅんひゅん我が物顔で飛びまわっていました。なにしろ、まわりの鳥や獣たちが、みーんな自分よりも小さいので「おいよい太かもんなおらん(私よりも大きいものはいない)」「おいよい太かもんな世界中におらん」と言いながら、いばって飛ぶのです。ある日、「もう、山はよかしこさるいたけんよか(十分まわったのでもうよい)」と海へやってきました。大きな鳥は海の上をどこまでも飛んでいきましたが、ずーっと飛んでいたので、そのうち疲れてきました。
どこか休むところはないかと海の上を見ると、なにやら木のようなのが流れています。「おー、ちょうどよかとのある」と、その木のようなものに止まりました。すると「おいが髭ん上に座っとっとはだいかん(誰だ)」と怒った声がします。大鳥はびっくり。それは木ではなくて、エビの髭だったのです。「おっとろーし、髭って、エビの髭って、おいが一番て思うといたいば、とー、おいよい太かとのおったいねー、おさん(あなた)にゃ負けた」と言って、大急ぎで山の方へと帰りました。
すると、こんどはエビが自慢して「おいよい太かとはおらんばいね」といばって、海の中いっぱい、上やら下やらそうついてさらきます。そうやって、あんまり動き回ったので疲れてきました。
一息つこうと、どこか休むところはないか、あたりを探します。ありました、ちょうど体がすっぽり入るくらいの穴がありました。エビはさっそくその中に入り、「きゅう(今日)は、あちこちさらいたいどん、やっぱいおいが一番太かったね」と休んでいると、「おいが鼻ん中、だいかん」と声がします。エビが「なんな?」と目をきょろきょろさせると、
「アクセーン!」
とそれはそれは大きな音がしました。と思うと、エビはポーンと吹き飛ばされ、なんと、大きな岩に当たって、腰をひどく打ってしまいました。
それからというもの、エビの腰はずーっと曲がったままです。エビが休もうと入っていたのは赤エイの鼻の穴の中で、エイのくしゃみで飛ばされたのだそうです。
そいばっか。

諫早史談会 川内 知子
絵:中路 英恵さん

※「そいばっか」は昔話のおしまいの決まり文句のひとつです。

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