諫早の眼鏡橋
諫早市内を流れる本明川沿いの諫早公園に存在感を示しながらひっそりと落ち着いた雰囲気をかもし出している眼鏡橋。諫早の眼鏡橋は、1839年に造られ、石橋としては日本で最初に重要文化財に指定された由緒ある名跡です。

永久不壊の橋
時は江戸時代、諫早の中心を流れる本明川は毎年のように氾濫し、川にかけてあった橋もその大洪水のたびに破損または流失していました。このため、人々は川のあちこちに飛び石を並べてそれを渡ったりするなどとても不便な生活をしていました。
そんな折、幕府から領地検分の使者がやってくることになりました。ところが、本明川には、人が安心して渡れるような橋は一つもありません。そこで、川を渡るのに飛び石を使わせては諫早の大きな恥になるということで、何とかして橋を架けようとの機運が沸きあがってきました。そして、幾度となく協議を重ね検討した結果、どんな大洪水にあっても微動だにしない「永久不壊の石橋」を造ろうということになりました。
世話人たちは各地にある名橋を視察研究し、その結果長崎にある眼鏡橋を見本として新しい橋の設計を行いました。
諫早の人々は諫早人の全知全能をしぼって橋をかけようと一大決意。「力のあるものは力を、物のあるものは物を、金のあるものは金を」を合言葉にこの大工事に取り組みました。経費は当時のお金で銀三千貫といわれ、領主から下げ渡されたお金以外はすべて諫早の人々の募金や僧侶の托鉢などで集められました。
こうして人々が一致協力した結果、着工後約1年半というスピードで諫早の眼鏡橋が完成したのです。橋の長さ49.25m、幅5.5m、石の数は約2800個使用しています。非常に頑丈な橋で、毎年のように氾濫していた本明川に架けられましたが、以後は一度も流失することはありませんでした。

諫早大水害
昭和32年7月25日、諫早地方をおそった記録的な集中豪雨のため、本明川をはじめ付近の諸川はほとんど氾濫しました。市街地は水没し、死者・行方不明630人もの犠牲者がでました。
そんな中、眼鏡橋は奇跡的に欄干の一部を破損した程度で流されずにすみましたが、その堅固さゆえにこの橋が流木を受け止め、川の流れを堰き止めたためにさらに多くの被害を生んだとされ、その功罪をめぐって大論争が巻き起こりました

重要文化財への指定
水害復興が進む中、本明川は国が管理する一級河川に指定され、建設省によって大幅な改修工事が行われました。そして、川幅拡張に伴い水害の原因ともいわれていたこの眼鏡橋は爆破されることになっていました。ちょうど、芸術的にも土木工学的にも価値高いものとして識者から評価されていた矢先のことです。
そんな中、当時の諫早市長は眼鏡橋爆破に反対し、文化財としての保存を提案しました。しかし、被害を受けた地域住民や議会は「市は全滅し復興資金さえ底を突いているのに、何千万も出して移設するとは何事か!」と反対しました。それでも諫早市長は「50年後の孫子の代を考えれば市の象徴である眼鏡橋保存が大事」と中央の政治家に働き掛けつづけました。そしてついに諫早の眼鏡橋は、昭和33年11月に全国の石橋の中ではじめて重要文化財として指定されたのです。

眼鏡橋の移設
国の文化財指定を受けた後、前例のない移設復元作業の現場監督として総指揮を取られたのが、当時諫早市役所に勤務し、その後「日本の石橋を守る会」の初代会長に就かれた故山口祐造氏です。山口氏はまずこの難作業に諫早市内から昭和の石工さんを呼び寄せ、石材の数も形も全く同じの5分の1スケールの眼鏡橋の模型をつくりました。そして、そこから得たデータを最大限に利用し、諫早眼鏡橋の移設復元を完璧に成功させました。
この模型は、諫早眼鏡橋移築後、その出来があまりに素晴らしかったため、文化財に準ずる扱いで、埼玉県のユネスコ村に残されることとなりました。

歴史を語る石橋
橋に階段があり、中央が下がっている本当の眼鏡の形は、わが国ではここだけといわれています。人々が願った永久不壊の橋「諫早の眼鏡橋」。公園内で今も当時をしのばせる石橋は静かにその歴史の重みを物語っています。

【参考文献】
諫早市史、諫早史談、眼鏡橋物語

日本で最初に重要文化財となった石橋、眼鏡橋の写真
日本で最初に重要文化財となった石橋

春のつつじまつり開催中のつつじとちょうちんと眼鏡橋の写真
春にはつつじまつりが開催

ライトアップされた眼鏡橋の写真
ライトアップされた眼鏡橋

雪景色も似合う眼鏡橋の写真
雪景色も似合う眼鏡橋

階段があり、中央が下がっている諫早の眼鏡橋の写真
階段があり、中央が下がっている諫早の眼鏡橋

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